『木下』でも『安田』でもない…それはただの『大サーカス』
華麗なるシンクロニシティ
お子さんが小学生、若しくはかつて小学生だった、という親御さんは、この気持ち分かっていただけると思いますが…
小学校って、なんで毎日毎日あんなに大量のプリント配るんですかねっ!?
学級・学年・学校だより
保健だよりに、給食だより
風のたよりに、桜のたより…
そんなにナンでもカンでも頼らないでもらえますかっ!
えー…
忘れてください。
まぁ、便りだけならいいんですが、学校とは直接関係ない様々な勧誘や募集の案内もきます。
今の時期ですと、夏休みの作文コンテストやサマーキャンプへのお誘い、水泳大会や親子マラソンなど各種スポーツ大会参加の勧誘…
まだ、これらは理解できますけどね…
美術展やコンサート、遊園地の案内や落語の寄席の案内まで、のべつまくなしになんでも来ます。
ピザのメニューやスーパーの特売チラシなどが入らないので辛うじて判別できますが、もはやポスティングや新聞折込と大して変わらない気がします。
思わず
広告代理店かっ!
とツッコミを入れたくなります。
それでも、学級便りは後で困ることになるので、ちゃんと目を通して保管しておきます。
『図工で使う牛乳パックを4つ用意しとけ』だの『◯月◯日に教材費を集金するからお釣りがないように用意しておけ』だのを忘れないように蛍光ペンで下線を入れておかないと、前日に連絡帳を見てバタバタすることになるからです。
まぁ、どのみち下線を引いたこと自体忘れてしまい前日にバタバタするのですが…
給食だよりも必ず冷蔵庫に貼っておきます。
と言っても、毎日献立をチェックするわけではありません。
朝、お弁当を作りながら、冷蔵庫の余り食材などを見て
人参もあるし、ジャガもある…
よし、今日は久しぶりにカレーかな…
などと思った朝だけは、必ず給食の献立をチェックするようにしています。
すると案の定
その日の給食はカレーです。
※ほぼ100%と言っても過言じゃありません
そういえば、昔勤めてた会社の同僚が従業員食堂でカレーを食べるとき
「従食でカレーを食べた日は、必ずと言っていいほど家でもカレーが出てくるんだよね…」
と言いながら『昼カレー食べたよ (^O^)/』と、奥さんにカレー回避メールを送っていたのを思い出しました。
カレーって神秘的ですね。
カレーなるシンクロニシティです。
Kが初めて釣れた日
さて、ようやく本題が近づいてきました。
※近づいただけで、まだ本題じゃありません。
先日、Kがまた大量のプリントを持ち帰ってきました。
どっちゃり…
忘れると分かっていながら、また学級だよりに下線を引きます。
負けると分かっていながら打つパチンコ…
落ちぬと分かっていながら指名するキャバ嬢…
まぁ、そんな感じです。
そして、プリントを整理しながら、いつものようにKに声をかけます。
「夏休み宿題・自由研究大作戦だって!…Kくん行ってみる?」
「行かな〜い」
リビングのソファでYouTubeを観ながらKが答えます。
「まぁ、そうだよね…じゃコレは?劇団四季の伝説のミュージカル『キャッツ』だって!」
「・・・」
(へ、返事すらしない…)
「あ!…コレならどうよ?サーカス!…ボリショイサーカスだってよ!」
「え?うそ!サーカス?!うん!行ってみたいっ!」
おお!
喰いついたww
この3年半で初めてじゃないでしょうか?
Kが学校から持ち帰ったチラシに興味を示したのは!
驚嘆と感慨を抱きながらチラシを詳しく見てみますと…
なんと、開催場所は実家近くの幕張メッセ。
しかも、開催期間は帰省を予定していた日程とピッタリ重なっているではありませんか!
運命…
ですね。
英語で言うところの
ジャジャジャジャ〜〜〜ン♬
ですね!
「Kくん、すごいよ!ちょうど、ジジババの家に行ってる時に近くでやるみたい。これなら歩いて行けるよ、ホントに行く?」
「うん!行く行く!わーい!」
初めてのサーカスにテンションが上がったのか、小躍りして喜んでいます。
学校のプリントで初めてKが釣れた瞬間です。
因果はいいんか ゛?
はしゃぎ回るのにも飽きたのか、またYouTubeに戻ったKを横目に考えます。
いや〜
いつもは、どんなものにも全く興味を示さないのにな。
やっぱりサーカスは男のロマンだ。
例えるなら…
そう!
空を駆ける一筋の流れ星だな!
そう言えば、ボクも初めてサーカスを見たのはKと同じくらいの歳…
ん?
アレは確か、神戸で開催された地方博、ポートピア…えーっと…そう!『ポートピア’81』でやっていたサーカスだったはず。
81ってゆーからには1981年
てことは、ボクは9歳で4年生…季節は…
そうだ!
ナンとかカンとかってゆー自動運転の電車が故障して車内に閉じ込められて暑くて死ぬ思いをした覚えがあるぞ…
ってことは夏休みの家族旅行じゃないかしら?
こんな偶然もあるんだなぁ…
『因果』
という言葉が、頭に浮かび
最初は、この偶然を密やかに楽しんでいたのですが…
なんだか急に怖くなってきました。
まてよ…
もし、この先Kが人生の節目節目で、ボクと同じ経験をしてしまったら…
いや、ボク自身は自分の人生
後悔もないし、結構気に入ってるんですよ。
やりたい放題好き勝手に生きてきたし、山あり谷あり谷あり※谷谷谷谷……(※から繰り返し)…だったけど、それもオモロイっちゃオモロかったし…
けど、自分の子供に同じ経験させたいか?って言われたら絶対に『No thank you!』ですよ。
…はっ!
まさかとは思うが、ボクが観たあのサーカスは、よもやボリショイサーカスではあるまいなっ!
木下大サーカスでした。
Googってwikiったら、そう書いてました。
そんで、あの止まった電車は、愛称ポートライナー、正式名称は『神戸新交通ポートアイランド線』と言い、実用化された路線では、日本初の新交通システムだそうです。
だから何?
ってハナシですが。
さて、その辺りでKが今度は
「ハラヘッタ!ハラヘッタ!」
と騒ぎ出したので、いったんサーカスのことは置いといて夕飯の準備をします。
給食を巧みに躱して作ったトマトカレー
木下でも安田でもない…ただの大サーカス
さて、日付も変わり仕事です。
その日も朝から大変忙しく、スマホをいぢくり回したり、近所のお爺ちゃんと世間話しをしたり、保育園の送り迎えをする人妻に話しかけたり、ぐるぐると変な妄想を繰り返し、ひとりニヤニヤしたりと慌ただしくしているうち、ふとサーカスと因果のことに思いが至りました。
もし…
なんの因果か、Kがこの先の人生でボクと同じような体験をするとしても、せめて、良いことはボクよりグレードアップしたものであって欲しいし、悪いことは少しでも被害が少なくあって欲しいな…
では、今度のサーカスはどうだろう…
木下大サーカスとボリショイサーカスなら間違いなくボリショイサーカスの方がグレードは上のはずだ…
スマホを取り出し、ググッとウィキんでみました。
ひっひっふー!
…忘れてください
木下大サーカス
- 木下サーカス株式会社
- 岡山県岡山市北区表町3-22-22
- 代表取締役社長:木下唯志
- 資本金:5千万円
- 従業員:110名
- 年間動員数: 120万人
おお!
意外と結構な動員数だな…
さて、お次はボリショイサーカス
え?…
ボリショイサーカス
ボリショイサーカスは、ロシアのサーカス団が海外で公演する際に名乗る「ブランド名」である。「ボリショイ」とはロシア語で「大きい、大変な」という形容詞で、「ボリショイサーカス」とは「大サーカス」という意味である。
そもそもロシアには幾つものサーカスがあり、それぞれ名前をもっているのだが、海外ではマイナーなため「ボリショイサーカス」という凄そうな名前を名乗る慣習ができたとされる。
※Wikipediaより抜粋引用
な、なんじゃそりゃ?!
大サーカス…
木下でも安田でもないのか?…
凄そうな名前を名乗る?…
てことは、実際は大して凄くないのか?
以前見たボリショイサーカスと今年見たボリショイサーカスは、必ずしも同じサーカス団じゃなくて全く別のサーカス団かも知れないってこと?
海外公演するくらいだから、そこそこなのは間違いないんだろうけど、まぁまぁショボいサーカス団だったとしてもボリショイサーカスって名乗って公演するってこと?
「こっ、これはいかん…」
てことで、電話して今回来日公演するサーカス団が、一体全体ドコのロシア…じゃなくてドコのドイツなのか確かめてみることにしました。
いえ、念のため申しますが
仕事は忙しいんですよ!
決して暇な訳じゃありませんからね!
「あ、もしもしすみません。つかぬ事をお伺いしますが…」
「はい承ります。なんでしょう?」
電話したのはチケットセンター
昨日聞きたいことがあったので電話したけど営業時間外で繋がらず発信履歴が残っていたのです。
チケットセンターのおねぇ様が、果たしてそんなことに答えられるのだろうか?
と思いながらも、疑問を投げかけてみると…
「お客さま…そのウィキペディアの情報は間違っています。そもそもボリショイサーカスというのはですね…」
滔々(とうとう)と喋り始めたおねぇ様の知識がボリショイすぎて、断片的にしか情報が頭に残りません。
今から61年前に初めて日本で公演を…
旧ソビエト連邦のナンチャラ省の…
国家事業と位置付けられサーカス学校も多数あり…
関係が悪化するウクライナからの招待選手が…
ナンやらカンやらカムサハムニダ〜
「…という訳で我が国立ボリショイサーカスは
世界で唯一無二の最高のサーカス
なんですよっ!」
「は、はぁ…分かりました。すみませんでした…ありがとうございます…」
圧倒されて電話を切りました。
よく分かりませんが、どうやら特定の機関から推薦を受けた選りすぐりのサーカス団員の中から、厳しい審査基準をクリアした者だけが、国立ボリショイサーカス団員として海外で技を披露できるという、それはそれは大変ボリショイなサーカスらしいです。
とりあえず
めでたしめでたし?
観覧後のブログをお楽しみに♬