名脇役またひとり逝く…
1月29日未明
ガスコンロで燻したような深い味わいを持つ名脇役が、またひとり旅立ちました。
卵焼きパンさん(芸名)です。
ファンからは、「卵焼き器」の愛称で親しまれていましたが、本名は「卵焼き鍋」
その甚だしく「名は体を表していない」本名に「全然鍋やないやないかいっ!」と激しくツッコまれ、話題になったこともあります。
卵焼きパンという芸名の通り「お弁当の卵焼き」シリーズで17年間「うっかりパンべぇ役」を演じ続け「弁当箱の中心でオカズを叫ぶ」で日本アカデミー賞助演男優賞にノミネート、続く「初めて卵を焼く日に読むレシピ」では、カンヌ映画祭の特別招待作品に選ばれました。
卵焼きパンさんは、1ヶ月ほど前から持ち手がふらつくことに違和感を覚えていましたが撮影を強行。
無理がたたり、本日とうとう持ち手切断という最悪の状態になってしまいました。
それでも卵焼きパンさんは
「この作品を完成させるまで俺は死ぬわけにはいかない」
と周囲の反対を押し切り、最後の最後までガスコンロの上に立ち続けます。
その熱意にほだされ、鍋つかみを装着した監督が、ついにカチンコを鳴らします。
しかし、持ち手が切断された卵焼きパンを、モフモフの鍋つかみで操ることは至難の業。
もどかしさに耐えきれず、ついには監督も鍋つかみを脱ぎ捨て、涙で濡れた布巾で卵焼きパンさんを操ります。
ォアッチッチ!!!
軽い火傷を負いながら、マゴマゴしている間も非情なカメラは止まりません。
出来上がった作品はこんな体たらく…
ぐっちゃぐちゃww
プライドの高かった卵焼きパンさんは、これを見て力尽きたのか
「真っ白な灰に…なっちまった…」
と呟いて静かに目を閉じました。
葬儀には、親交のあった調味料たちが駆けつけ、参列の輪に加わります。
公私ともに長年親交があり、葬儀後には「まるで本当の兄弟のようだった」と振り返る醤油さんが、大粒の醤油を流しながら卵焼きパンさんにすがりつく場面も…
弔辞はキッチン界の大御所 菜ばし氏
菜ばし軍団のツートップ、オリーブオイルとシュガーポットに支えられなければ立っていられないほどのショックを押し殺しながら、天国の卵焼きパンさんに向け15分間に渡り贈る言葉を述べられました。
壮絶な最後を遂げられた卵焼きパンさん
最後の最後までコンロに立ち続けたその役者魂に敬意を表すとともに
心よりご冥福をお祈りします。
…はい
そうです
ヒマなんです
(〜 ̄▽ ̄)〜
そうだ
Amazonでもいいけど