チャリ通は常に向かい風…もちろん人生も!

ひとり親の子育て/テキトー料理レシピ/アホ小説/ボクシング&格闘技/ダイエット(減量)/指定難病と過去のうつ病…ほか・・ごゆるりと♬

ガードマン味玉のFunnyな毎日♬・Season2 第5話 6重苦

前回までのあらすじ

 

マリアちゃんのスカートを風から守るためボクシングジム入会を希望した赤鹿。ローブローながら見事に元日本ランカー竹信さんにクリーンヒットを浴びせ、約束の入会金無料を勝ち取った。

その赤鹿の入会祝いの席で味岡玉夫(通称味玉)は「翌週から増員されるガードマンが権田原である!」と、管制の長谷部から知らされた。

赤鹿と権田原、2人の問題児…いや問題オヤジと3人で現場を受け持つことになってしまった味玉。

トラブル必至の現場の運命や如何に?!

 

 

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連載アホ小説

ガードマン味玉のFunnyな毎日♬・Season2

第5話  6重苦

 

月曜日

今週から南側の2ゲートを使った搬入出が始まる。今日は杭屋さんが現場に乗り込み、まずは杭打ち機とクローラークレーンを組み立てだ。車体が大きすぎてトレーラーに積載できないそれらの重機は、バラバラにして搬入され、現場で組み立てられる。

 

 

組み立て時には、現場の敷地内にキャタピラやウェイト、クレーンのジブなどが、所せましと並べられるため、作業が終わるまで北の1ゲートは、重機の部品を積載した車両以外の通行は出来なくなる。

 


重機が組み上がり杭穴の掘削が始まっても、施工する杭の場所によっては1ゲートは使えない。掘っている穴の上を車両が通るわけにはいかないからだ。

 

 

 

味玉は赤鹿とふたり、5時から早出出勤をして既にトレーラーを搬入した。

 

 

一定の車幅を超えた特殊車両は、6時から21時のあいだは一般道を走ることができない。杭打ち機とクレーン車の本体を積載したトレーラーは、その規制にかかるので、6時までに現場内に搬入しなければならないためである。

 

 

本体以外の残りの部品は規制にかからず、朝礼後に搬入されるため、ふたりは詰所に引きこもり、6時からずーーーーうっとグダグダと茶飲み話をしている。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「ふぅ…なんとか無事トレーラーの搬入も終わったねぇ。早朝は交通量が少なかったから、思ったほど大変じゃなかったな…」

 

 

人差し指と中指にエコーを挟んだまま、残った親指と薬指で『ひょい』と持ち上げたブラックの缶コーヒーをひと口含み、味玉がいう。

 

 

「んだな…でも、やけにミニパトやチャリンコに乗ったデコ助が目についただな。なんか事件でもあっただか?」

 

 

赤鹿はひたすら鼻毛を抜いている。

 

 

「そういや、そうだな…なんだろね。こんな時間に、こんな閑静な住宅街で…」

 

 

 

タバコを咥えながら、ふと壁の掛け時計を振り返ると既に7時半を回っている。

 

 

権田原には、新規入場者アンケートの記入があるから、7時前には現場に入るよう管制の長谷部から伝わっているはずだ。

 

 

(権田原の遅刻とウロつく警察官…まさか、交通事故にでも巻き込まれたのか…)

 

 

味玉の脳裏に一瞬嫌な予感が浮かんだその時…

 

 

 

憲法9条改正問題って、そういう名前の球場の天気が快晴かどうかって問題だと思ってたの僕だけ? おはよ〜味玉くん!久しぶり〜♡」

 

 

詰所の引き戸をガラガラと開け、ドカドカと権田原が入ってきた。還暦は超えているだろう。ふっくらとしたえびす顔の好々爺だ。

 

 

「権田原さん!遅かったじゃないすか。心配しましたよ」

 

 

アヒージョって『アヒー!』ってあえぎ声あげる女子のことだと思ってない? いや道に迷っちゃってさ…色んな人に道聞いたんだけど、誰も教えてくれないどころか、不審者扱いされて警察に通報されちゃってさ!あっはっは!」

 

 

 

あ、あんたのせいだったのか…

( ̄▽ ̄;)💧

 

 

「なんだべ?このイミフなオッさんは?」

 

 

 

赤鹿が抜いた鼻毛をつまんだまま、不思議そうに味玉と権田原を交互に見る。

 

 

「あれ?赤鹿さん初めて?紹介するよ。こちら権田原さん。権田原さんは…何ていうかこう…最初に接頭語っていうか、枕コトバみたいなのをつけないと喋り始められないんだよ。そのせいで交通誘導警備業務2級の実技試験を見事に落ちてね。なにしろ警察・消防への通報試験とか実技試験はセリフ満載だからね」

 

 

(※シーズン1参照)

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「そ、そうなの?💦 オ、オラァ赤鹿です。よろすくお願いすます」

 

 

吉原永年無料券あげる代わりに一生素人童貞だよって神様に言われたらどうする? 権田原です。こちらこそよろしくお願いします。あはは!まぁ、景気づけっていうか、なんというか…こうやって生きてきました。あまり気にせんでください」

 

 

「え、え〜と💦  ぼっ、坊主が屏風に上手に坊主の屁をこいた! もちろん吉原無料券だすっ!

 

 

「・・・。」(※味玉)

「・・・。」(※権田原)

 

 

「赤鹿さん…それ早口言葉…それに間違ってるし つまんない。権田原さんに付き合ってたらキリがないよ。張り合ったって敵うわけないんだからフツーでいいよ、フツーで」

 

 

赤鹿は悔しそうに口をへの字にして、再び鼻毛を抜き始めた。

 

 

「あ!そうそう権田原さん、ひとつ言っとくけどね、この現場の近くに女子校があるんだけどJKには絶対話しかけないようにね。警察沙汰になったら、また転職する羽目になるよ」

 

 

タンスの角に小指ぶつけるのと、チャックに○ん○んの皮挟むの、どっちがいい? 分かったよ味玉くん。JK厳禁♡今日も元気ンにイッてみよう〜!大丈夫!し〜んぱ〜いないからね〜♬」

 

 

スゲー心配だ…

 

( ̄▽ ̄;)💧

 

 

 

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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

こうして、アホ・バカ・間抜けの三拍子の上に、エロ・変態・コミュ症が加わった六重苦の現場が始まった。

 

 

無事に終わってくれと祈る味玉だが、そうは問屋がおろさない。

 

 


なんともはや…どっこいしょ…

 

 

 

第6話に続く…

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